脳卒中

脳卒中とは

脳卒中とは脳の血管が破裂して起こる脳出血、脳の血管が詰まる脳梗塞、動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血などの総称が脳卒中です。血管が破裂したり、詰まったりすると、その先に流れるはずの血流が途切れて血液循環が阻害され、体の片側が麻痺する、強い頭痛が起こる、ろれつが回らない、吐き気・嘔吐、脱力、めまい・ふらつき、意識混濁などの症状を起こします。
出血の起こった場所やその範囲などによって症状は大きく異なり、軽微な場合にはほとんど自覚症状がない場合もあります。MRI検査はこうした軽微な脳卒中の早期発見も可能ですし、将来の脳卒中リスクを判断するためにも役立ちます。軽微な場合もできるだけ早くMRI検査を受けることで深刻な脳梗塞を予防できる可能性があります。また、脳卒中の中でも死亡率が高いくも膜下出血は、MRI検査で動脈瘤を発見して適切な治療を受けることで将来の発症を予防できます。40歳を超えたら自覚症状がないうちから脳ドック検査を定期的に受けることは、脳卒中予防に有効です。

脳卒中とされる疾患

脳卒中はいくつかの疾患に分けられます。その原因や状態に合わせた適切な治療が必要であり、原因を確かめるためには早急な検査が不可欠です。

血管が詰まるタイプ

主な疾患に、一過性脳虚血発作や脳梗塞があります。動脈硬化による血管の狭窄や、血栓などによる血流の阻害によって生じます。

代表的な症状
  • 体の片側の麻痺
  • 力が入らない・脱力
  • ろれつが回らない・舌がもつれる
  • めまい・ふらつき
  • 視覚障害など
一過性脳虚血発作

脳梗塞の予兆として現れることが多いため、脳梗塞の前触れ発作と呼ばれています。放置すると脳梗塞のリスクが高くなってしまいますが、一過性脳虚血発作のうちに適切な検査と治療を開始することで脳梗塞予防につなげられる可能性があります。できるだけ早く受診してください。症状の多くは1時間以内に消えてしまいます。

脳梗塞

脳の血管が詰まって、その先の神経細胞への血液循環が滞っています。起きた場所により、症状が変わります。

血管が破裂して出血しているタイプ

主な疾患に、脳出血やくも膜下出血があります。

脳出血

脳出血脳動脈が破裂して出血を起こし、神経細胞に障害を起こしています。高血圧をはじめとした生活習慣病によって動脈硬化が進行し、それによって起こるケースが多くなっています。

主な症状
  • 突然の頭痛
  • 体の片側の麻痺
  • 感覚異常
  • 吐き気・嘔吐
  • 意識混濁
くも膜下出血

くも膜下出血くも膜は脳全体を覆っている膜で、コブ状の脳動脈瘤が破裂してくも膜の内側で出血を起こしている状態です。脳卒中の中でも、くも膜下出血は死亡率が高く、命が助かっても生活に大きな支障が残る可能性があります。脳動脈瘤はMRI検査で発見可能ですから、破裂する前に見つけて適切な治療を受けることでくも膜下出血の予防につながります。

主な症状
  • 突然の激しい頭痛
  • 意識障害
注意したい症状
  • 顔や手足など体の片側のしびれ
  • 体に力が入らない
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい
  • 片方の目が見えない
  • ものが二重に見える
  • めまい・ふらつき
  • 少しずつ頭痛が強くなる
  • 経験したことがないほど激しい頭痛
  • 意識が遠くなる

上記のような症状があったら、できるだけ早く当院を受診してください。複数ある場合はもちろんですが、1つだけ現れている場合も受診をおすすめします。また、1時間以内など短時間で症状がなくなった場合も、脳梗塞の前触れという可能性があります。脳卒中は早期発見が重要です。「おかしいな」と感じたら、気軽にご相談ください。

※立っていられないほど激しい頭痛がある場合には、早急な処置が必要なくも膜下出血の疑いがあります。すぐに救急車を呼んでください。

脳卒中の早期発見や予防のための、脳ドック

脳ドック脳ドックは、MRI検査で脳血管の状態を詳細に確認するため、脳卒中の早期発見や予防に役立ちます。脳卒中のリスクとなる動脈硬化の進行程度や脳血管の狭窄、脳動脈瘤の有無を詳細に調べることができるため、リスクの把握にも有効です。特に、生活習慣病、習慣的な喫煙・飲酒、肥満などがある場合、定期的な脳ドックをおすすめします。生活習慣病は動脈硬化を進ませて脳卒中リスクを上昇させます。近年、生活習慣病を発症する若い方が増えてきていると指摘されていて、40歳代の若年性脳梗塞も増加傾向にあります。当院では脳神経外科専門医・脳卒中専門医である院長が検査結果を詳しくご説明し、結果に応じた生活習慣改善のためのアドバイスも行っています。お気軽にご相談ください。

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TEL:042-703-0070 脳ドック予約